気づかなくてよかった光
友達に聞かれた。
「好きな人いたの?」
「いや、別に……」
そう答えたら、
友達は少し考えて、
まったく違う名前を挙げた。
「ああ、それならやめといたほうがいい」
「見守る側でいるのが正解だと思うよ」
私は、笑った。
たぶん、その通りだったから。
でも、
少しくらいは、
気づいてくれてもよかったのに、
と思った。
気づかれなかった気持ちも、
なかったことにはならない。
それと同時に、
気づかなくてよかったと、
どこかで思っていた。
それだけで、
私は、ありがとうって思えた。
こんな私を見て、
きっとあの人は笑うだろう。
あの人は、
あの人のままだ。


コメント