転んだ光は、遠くまで届いた

光の種

僕は光を出そうとした。
ちゃんと、まっすぐに。
誰かを照らせたらいいなって思って。

でも、勢いがありすぎた。

つまずいて、
転んで、
派手に失敗した。

ああ、やっちゃったな、って思った。
恥ずかしくて、情けなくて、
「やっぱり僕はポンコツだ」って。

だけど――
その瞬間、光は止まらなかった。

転んだから、
光は散って、
思っていたより遠くまで広がっていった。

届くはずじゃなかった人に届いて、
偶然見た誰かの心に、
そっと残った。

「助かった」
「少し楽になった」
そんな声が、あとから聞こえてきた。

……あれ?

転ばなかったら、
この光は、ここまで行かなかったのかもしれない。

完璧じゃなかったから、
不格好だったから、
光は拡散された。

やっぱり、意味があったんだ。

ポンコツでもいい。
転んでもいい。
光は、ちゃんと光だった。

だから今日も、
僕はまた光を出す。
たぶんまた、どこかでつまずきながら。

でも、それでいい。

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